信州競売情報


《入札手続等の詳細説明》


  最近、一部の裁判所には公告ファイルに関する詳細説明が置かれるようになりました。近時、引渡命令の制度を利用する方が増えて参りましたので、賃借権等とあわせて、注意を喚起する趣旨で、それに係わる物件明細書引渡命令に関する説明の一部を、以下に掲載いたします。なお、その他の部分については、会員ページにてお知らせしております。事前に、お読みしていただければと思います。

競売ファイル・競売手続説明書

 担保物件及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律(平成15年法律第134号、平成16年4月1日施行、以下「改正法」といい、この法律による改正後の民法等を「新法」という。)により、民法395条が改正され、従来の短期賃借権の制度が廃止されました。同改正に伴い、「競売ファイル・競売手続説明書」の内容の一部に改訂が加えられましたが、経過措置として、改訂内容と従来の内容とが重複既述されておりますので、注意してお読み下さい。

 なお、上記法改正の概要は次のとおりです。

1.最も早い(最先順位の)(根)抵当権に優先する賃借権は、従来どおり買受人の引受けとなります。

2.最も早い(最先順位の)(根)抵当権に後れる賃借権は、短期賃借権の制度が廃止された結果、買受人の引受けとはなりませんが、建物につき、差押え前からの占有者であれば、執行妨害目的の占有者や独立の占有を有しない者、信義則上否認すべき賃借権に基づく占有者等を除き、代金納付の日から6か月間その明渡しが猶予されます。
 ただし、改正法の施行日である平成16年4月1日より前から占有している抵当不動産の賃借権(この法律の施行後に更新されたものを含みます。)のうち、民法602条に定める期間を超えないものについては、経過措置により、従前のままの取扱いとなります。

◇物件明細書の詳細説明
◇評価書の詳細説明
◇公法上の規制に関する詳細説明
◇引渡命令の詳細説明
◇農地売却の詳細説明



物件明細書の詳細説明
1.物件明細書とは
 物件明細書は、物件の売却条件を明らかにするために備え置かれたもので、裁判所が重要と考える権利関係や物件の状況を記載したものです。すなわち、現況調査報告書、評価書等記録上表れている事実とそれに基づく法律判断に関して、執行裁判所の一応の認識を記載したものであり、利害関係人の間の権利関係を最終的に確定する効力はありません。買受け後に訴訟がなされ、物件明細書の記載内容と異なる結論になる可能性もあります。一方、物件明細書の記載は、訴訟等における重要な証拠にもなります。

2.記載事項説明
 事件番号(上部欄外)
 事件を特定するための整理番号です(例 平成15年(ケ)第101号)。入札や照会のときには必ず必要になります。

 不動産の表示
 売却対象不動産の物件番号が記載され、別紙物件目録に不動産を表示してあります。また、現況が登記簿上の表示と異なっている場合は、現況も記載されています。
 物件目録には物件ごとに「物件番号」が付されています。「物件番号」は、競売事件において物件を特定する重要な意味を持ちます。特に入札の際は物件番号の記載に注意してください。

 売却により成立する法定地上権の概要さらに詳しい説明
 土地又はその地上建物の一方のみが競売手続で売却される場合、民法又は民事執行法は、建物と敷 地の所有者が競売によって別人になることにより建物が存立できなくなることを避けるため、一定の要件があるときは、売却の効果として法律上当然に建物の敷地利用権としての地上権が発生する場合を規定しています。この地上権を「法定地上権」といいます。
 法定地上権の地代その他の内容は、当事者間の協議により決せられますが、協議が調わないときは、訴訟等を提起して裁判所に決めてもらうことになります。

 買受人が負担することとなる他人の権利さらに詳しい説明
 売却後も、所有者が他人と締結した契約等(主に賃借権)に基づく権利が売却により消滅しないために、買受人が負担として引き受けることとなる場合に、その他人の権利の内容がこの欄に記載されます。売却後も効力を失わない仮処分の内容もこの欄に記載されます。

 物件の占有状況等に関する特記事項さらに詳しい説明(会員ページ)
 これは、現実の占有の状況、及びその占有の根拠が買受人が負担することとなる他人の権利とは認められないと執行裁判所が判断した内容を記載したものです。この記載は、現況調査報告書を基に記載されるため、現況調査時の状況を記載したものであり、その後に占有状況が変更されている場合もあります。
 この欄に記載された占有者は、原則として引渡命令の対象となります。(詳細は「引渡命令の詳細説明」を参照してください。)また、占有者が変わった後の占有者は、「差押え後の占有者」として、引渡命令の対象となります。

 その他買受けの参考となる事項さらに詳しい説明(会員ページ)
 1ないし4欄に記載される事項以外の参考となる事項が記載されています。


評価書の詳細説明
 評価書とは、評価人により、適正な最低売却価額を決定するために行われた物件の評価の結果及び過程を記載したものです。
 公法上の規制については、評価書にしか記載されていませんので、よく見てください。
また、評価書には、難解な専門用語も多いですが、別紙用語集を参考にして下さい。


公法上の規制に関する詳細説明
 土地の利用や建物の建築については、一定の行政目的を達成するため、さまざまな法律、政令、条例などによる規制があります。これらを公法上の規制といいます。公法上の規制はかなり数も多く、内容も詳細であるため、ここですべてを網羅して説明することはできませんが、競売物件買受けに際し、最低限知っておきたい主なものを取り上げて説明します。詳細については市町村役場でお尋ねください。


引渡命令の詳細説明
1.引渡命令とは

 不動産を競売で買い受けた人(買受人)に対し、簡易、迅速に不動産の占有を確保してもらうため、代金を納付した買受人の申立により、執行裁判所が、債務者、所有者及び一定の要件のある占有者に対し、競売不動産を買受人に引き渡すべきことを命ずる裁判のことをいいます。簡易、迅速とは、訴訟を提起して判決を得ることと比較した場合であり、多少の手間と占有確保までの多少の時間はかかります。また、引渡命令の執行には相応の費用もかかります。

2.引渡命令の対象

(1)原則として、次に掲げる者は引渡命令の対象となります。ただし主な例外として(2)に掲げる場合があります。

ア)債務者・所有者

イ)物件明細書の「3買受人が負担することとなる他人の権利」欄に記載されていない占有者(多くは、「4物件の占有状況等に関する特記事項」欄に記載があります。)

(2)「4物件の占有状況等に関する特記事項」欄に記載してある占有者であっても、以下に該当する場合は、引渡命令の発令されない可能性があります。

ア)買受人が共有持分を取得した場合(複数所有者の各共有持分を取得し、合計すれば完全な所有権を取得した場合は含みません。)で、他の共有者から使用を許されている占有者。

イ)実行抵当権以外の抵当権(競売申立てをしていない抵当権)の債務者(所有者を除く)が、最先の賃借権に基づいて占有している場合。

ウ)外交特権を有する者(外国の外交官など)が占有している場合。

エ)引渡命令に関する平成8年の民事執行法改正前の旧法が適用される事件における占有者で、差押えの前から所有者との関係で適法な権原に基づき占有しているものと認められる場合(例えば期限切れの短期賃貸借者や使用借権者)。
 対象となるのは、平成8年8月31日以前に競売が申し立てられた事件(事件番号の年度が平成7年以前のものと平成8年のものの一部)です。

(3)原則として、次に掲げる者は引渡命令の対象にはなりません。
 物件明細書の「3買受人が負担することとなる他人の権利」欄に記載のある占有者。ただし、買受人が代金を納付した後、引渡命令の申立でができる期間内に期限が到来した短期賃貸借者については、期限到来後、引渡命令の対象となります。

(4)平成15年改正法民事執行法により、代金納付日から6か月間の明渡猶予期間が認められる占有者については、同期間経過後でなければ引渡命令に基づく強制執行をすることはできません。

(5)土地に対する引渡命令を得て、売却対象外の地上建物を収去をすることはできません。その場合は建物収去土地明渡訴訟を提起して判決を得る必要があります。

(6)物件明細書作成後に現れた資料等により執行裁判所の判断が変わる場合もあり得ます。また、抗告審において執行裁判所と異なる判断がなされることもあり得ます。

(7)新法により、代金納付日から6か月間の明渡猶予が認められる占有者については、通常、同期間経過後に引渡命令の申立てをすることになります。
 ただし、買受人が買受後に、建物使用者に対し買い受けた建物の使用をしたことの対価の1か月分以上の支払を相当の期間を定めて催告し、その相当の期間内に支払いがなかった場合には、6か月の期間経過前でも申立をすることができます。

3.引渡命令の手続

(1)引渡命令の申立て

ア)申立てができるのは、代金納付の日から6か月以内に限られますので注意してください。なお、新法により、代金納付時に明渡猶予を認められる占有者がいた建物の買受人については、代金納付日から9か月以内に限れれます。もちろん代金納付以前は申立てができません。

イ)申立費用として、相手方1名につき500円の収入印紙と決定抄本の送達長が必要です。

ウ)申立ては申立書を作成し提出する方法によります。申立書の書き方、添付書類、納付すべき送達料については、執行裁判所の引渡命令担当窓口へお尋ねください。

(2)引渡命令の発令、送達
 引渡命令が発令されると、当事者に送還されます。

(3)執行抗告期間

 当事者に引渡命令が送還された日から1週間は、執行抗告(高等裁判所に対する上訴)を申し立てることができます。申立人も引渡命令申立却下の裁判に対して執行抗告を申し立てることができます(抗告状は地方裁判所に提出する)。執行抗告の申立てがなくこの1週間を経過すると、引渡命令が確定します。

(4)執行文付与申立て・送達証明申請

 引渡命令が確定したら、執行の準備として、執行文付与申立てと送達証明書の申請をし、執行文と送達証明書を取得します。
 なお、これらには手数料(執行文1通につき300円、送達証明書は相手方の数×150円の各収入印紙)がかかります。

(5)執行官に対する執行申立て

ア)引渡命令正本(執行文付き)と送達証明書を添付の上、引渡命令執行の申立てをします。

イ)所定の予納金が必要です。

ウ)申立てを受けた執行官は、予定を立てて執行に着手します。当初は、相手方に期限を決めて明け渡すよう催告するのが普通です。それでも明け渡しに応じなければ、運送業者を手配して明け渡しの執行を行いますが、その場合は相応の費用がかかります。

エ)申立てに関する詳細は、執行官室にお尋ねください。

(6)明渡し完了


農地売却の詳細説明
 農地の売却について、期間入札又は特別売却による買受けを希望するときは、原則として、市町村の農業委員会等が発行する買受適格証明書が必要です。買受適格証明書が必要な農地である場合には、公告書にその旨の表示があります。
 なお、買受人の資格によっては、農地の買受けであっても、買受適格証明書が不要となる場合があります。主な場合としては、次のようなものがあります。 
 @ 国又は都道府県が買い受ける場合
 A 地方公共団体又は農業協同組合が特定農地貸付けの用に供するために買い受ける場合
 B 担保権の実行としての競売においての所有者(債務者でもある場合を除く)が買い受ける場合


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